🌿普通やらないことをやり、普通見られないものを見よ。大雨こそ、山奥へゆけ。

峠の頂上を抜けるトンネル。その馬蹄形の出口の向こうに見えるのは、ただ白い世界。

「うぉ、すっげー!!」と車から飛び出しガードレール際まで大雨の中を駆け出す、23歳、加茂谷地域おこし協力隊員その名は渡辺。

 

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朝から夜まで激しい雨が降り続き、夜8時半にはとうとう加茂谷移住以来2度めの「ダム放水」サイレンの響きを聞いた今日。

遮るものとてない山頂の道に振りつける雨のなか、加茂谷地域おこし協力隊員2名は上勝町から那賀町に抜ける、超グネグネぐねぐね登り道のてっぺん、町境にあるトンネル前で大雨の中を立っていた。

ちなみに、どれぐらいぐねぐねかというと、このくらい ↓ です。

 

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白く濃いモヤに包まれた山また山、見えるものはひたすら白いモヤ、そしてかすかに山と木。

最近雨の日となると山の寺に出没していた感のある岩本(ちなみに、今日のブログ担当です)、大雨の今日いる場所は太龍寺や鶴林寺よりも更に高い場所です。

勝浦町坂本地区から上勝町を抜けてここ那賀町に至るまで、なんど「15(イチゴ)号」の中から二人して「うぉ、すっっげー!」と叫んだかわからないぐらいに絶景続きのこのグネグネ道。(岩本はコケむした岩を見ても叫んでいたので、渡辺隊員よりも約40%ほど余計に叫んでおります)

 

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目指していたのは、那賀町木沢の山の中にあるこちら ↓ でした。

 

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この3月に那賀町の地域おこし協力隊、第1期隊員を3年務め上げて卒業された桑高さんが開業された、『ゲストハウス杉の子』です。

 

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木沢地区の山奥の奥にあった古民家の空き家を、地域の住民や芝浦工大の空き家改修プロジェクトなどの協力を得ながら、自らの手で大工仕事をして改修したのが、こちらのゲストハウスです。

 

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地元の女衆のおかあさんの手作りで用意頂いたお弁当を美味しくいただきながら、地域おこし協力隊3年満期終了 → 定住・開業された先輩から、体験談など貴重なお話をいろいろ聞かせて頂きました。

 

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地域おこしの経験がとても豊富で「人が好き」とおっしゃる桑高さん。渡辺隊員からも上手に話を引き出していきます。

 

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お天気は晴天ではありませんでしたが、岩本は雨の日は嫌いではありません。室内から大きな明るい窓越しに見える、雨に濡れた美しい緑と白いモヤ、落ち着く雨の音、お話するには調度よい穏やかな時間が流れます。

 

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古民家の良さを残しながら、台所やトイレなどの水回りは現代人が快適で使いやすい設備を備えています。

お風呂はこちらの小さな離れ。

木の香りが充満する室内には五右衛門風呂とシャワーが設置され、無印良品などのシンプルナチュラル系の小物が並ぶおしゃれで快適な空間です。

 

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天井の梁の上にあるロフトの様なスペースには、古い道具がきちんと並べられていました。

 

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お時間を頂いたことにお礼を言い、そろそろお暇いたします。ゲストハウスを後にする加茂谷隊員コンビを軒下からずっと見送って下さいました。

またすぐ、今度は晴れた日の風景を見に訪問しますよ。絶対ですよ。

 

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さて、この『ゲストハウス杉の子』の記念すべき初めてのお客様は歩きお遍路さんだったそうです。なんと勝浦町の西の端、坂本地区のお宿からまる1日かけてここまで歩いて来られたそうです。

その道筋を車で来た加茂谷コンビ。途中まったく対向車にもすれ違わなかった、山の中のグネグネのあの道を歩いてきたと聞いただけでもまずびっくり仰天。しかも、ここは通常のお遍路ルートからは離れています。数十km単位で、離れています。

そのお遍路さんが目指していた場所、それはこの『杉の子』から約4.5kmのところにあります。

ならば、ちょうど帰り道沿い、行ってみないわけにはいかないでしょう。

『杉の子』から更に少しグネグネ山道を登っていきます。

渡辺隊員、すっかり「悪天候の時だからこそ見られる山の風景」に目覚めてしまった様子。

そうです、地域おこし隊員とは人が行かない場所に行き、人がやらないことをやってナンボです。大雨の日だからこそ、普通はこの天気では誰もいこうとしない山奥に行くのです!普通は見られないものを見てやるのです。

 

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そして山のてっぺん。

ここがそのお遍路さんが目指していた場所でした。

我が加茂谷のお寺、太龍寺の奥の院である「竜王山黒瀧寺」です。

 

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山門の横に、いきなり岩本の萌えツボ、見事なコケが広がります。

それだけで心がグッとわしづかみされます。

実はこのお寺の存在をそもそも知らなかった岩本、(太龍寺の奥の院は、弘法大師像が座ってる舎心ヶ嶽だと思ってました)不勉強を恥じます。このお寺は開祖弘法大師、「山岳仏教の発祥の寺」と呼ばれるほど由緒正しいお寺でした。

 

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これまで太龍寺や鶴林寺に雨の中わざわざ岩本が出かけていくのをどこか遠目で眺めていた渡辺隊員、今日この場所でついに「雨と霧の中の山寺」の美しさに目覚めてくれたようです。

諦めずにこんこんと我が趣味を押し付けた甲斐がありました。

 

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その昔、太龍寺で修行中だった空海がこの地で暴れていた龍を退治して封じ込めた池は、長年の地形の変化で今は水はありません。

それでも、かつて豊かに水をたたえていた姿は、のこされた窪地の形状から伺い知れます。

 

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さすが由緒ある寺、こんな山奥こんな高地でも常駐の住職さんがいらっしゃいました。

お寺の裏、「お加持の水」と書かれた看板が示す方に向かっていたところ、ちょうど家から出ていらっしゃった住職さん御夫妻。「いらっしゃい」と優しくお声をかけて頂き、水の元に向かっていると言うと「これに汲んでいけばいい」とペットボトルを数本用意して下さいました。

 

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この「閼伽井の水」は、退治された暴れ龍が空海に送った霊水で、飲めばすべての苦難を退け、万病をたちどころに治すというお水だそう。

当然、汲みますよ。汲んで汲んで汲みまくりますよ。

 

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黒竜山の頂上にある黒瀧寺。

ここは鶴林寺や太龍寺よりも高い場所にあるのです。

 

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霊験あらたかな水(ペットボトル入り)をおみやげに、ようやく山を下り始めたイチゴ号。

ほどなく、唐突に風車が現れました。

折よく、雨足が突然弱まったとなれば、当然ここでも車を停めて下りてみます。

 

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右手の下の方に、木沢地区の集落が見えます。

 

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晴れた日には山また山が青い空にくっきりと連なっているに違いない風景。

今日のしろいモヤに包まれた姿も、また良いものです。

 

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反対側は、一際厚く濃いモヤが下から立ち上って来て、あっという間に何もかもが真っ白。

グーグル・マップ大明神様がスマホの画面にお示しになられる情報によると、この真下にダム湖があるようです。この濃いモヤの原因はそれ。

 

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来る道も帰る道も、あまりの風光明媚さに何度「うぉ、すっげー!」でハモったかわからない加茂谷コンビですが、グネグネ山道を降りていったところで最大級の「うぅおぉ〜!すっげぇ〜!!」出ました。

この滝がどんっと道の横に出てきたのです。

 

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相当な高さがあるこの滝、写真だけではこの迫力を伝えきれないのが悔しい!

滝の水量が圧倒的に増えるのも、「雨の日の山」の醍醐味です。

小さな水の流れが岩の上を伝って集まり、流れ、少しづつ少しづつ岩を削っていって沢になり。。。この大きな沢はまさに巨岩が水の力で掘り削られた形をしています。

 

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ようやく、民家が集まる木沢の集落に出ました。

上勝町の山道に入ってからここまで、なんと一度も対向車ナシ。

『杉の子』を尋ねる前から周囲の人から「とんでもない、細くて危険な道だからくれぐれも気をつけて」と言われていたのでどんな細道かと恐れていたのですが。。。上勝町から続く県道16号線のグネグネ山道は普通にキレイに舗装してあり。道幅もそれなりに普通で、少し拍子抜けです。

どうやら、毎日毎日、那賀川の南側の道を水井や細野に行くのに慣れている加茂谷コンビにとっては特に脅威ではなかったようです。ことに岩本に至っては、ほぼ毎週太龍寺への車道を登ったり下りたりしている身。もうちょっとやそっとの細い山道ではびくともしなくなってしまったようです。

 

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更に激しく降りしきる大雨の中、先日のがけ崩れで鷲敷ラインの一部が通行止めになったままなのを迂回するためにダムの上を横切ったりしながら加茂谷に戻って行きました。

黒瀧寺から太龍寺までは45km弱。それも、木沢はまだ那賀町の中央部分ぐらいの場所です。この奥にさらにこの倍の距離まで同じ町内という、とにかく巨大な面積を持つ那賀町。その「真の奥の奥の奥地」も、いつかすぐに訪ねることを心に誓うのでした。

 

 

さて、「全ての苦難をしりぞけ、万病をたちどころに治す、ご利益新たかな霊水」のその後について。

今晩さっそく、美味しくコーヒーに姿を変えました。

急須でレギュラーコーヒーを入れる。。。最近のマイブームです。

 

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“🌿普通やらないことをやり、普通見られないものを見よ。大雨こそ、山奥へゆけ。” への1件のコメント

  1. 佐伯達哉 より:

    黒瀧寺さん、ほんまに良いお寺ですよね〜。一昨年、参拝した時はこんな山奥に女性2人で車で来られた方がいらっしゃいました。住職の奥様とも高野山の1200年法要にいつ行くとか、のお話しをした事を覚えています。
    また、新しい奥の院の納経帳を買って、奥の院巡りもしているので、また、参拝します〜。

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